プーアール茶、疑わしくは?
雲南省の面積は日本全土より大きいし、茶畑についても、農薬や肥料に関してすべて把握している様に言う人が居るけど、そんな事はできないと私は思う。人も環境も違いすぎるから、日本人の尺度では理解しがたい事は多い思う。
肥料を使用しすぎて、畑の西瓜が皆爆発したという事件があった。うその様な本当の話らしい。地方の役人は売れば売るほどマージンがもらえるから出来るだけ多く売ったのだと思う。もしそのマージンで母親が病院にいけるとか、子供が学校にいけるとか、そんな事があったら私だって出来る限りたくさん売ったかもしれない。華やかな都会に比べて、農民はまだまだ貧しい。字が読めない人もまだ多いので、薄めたり撒いたりする方法を、説明せずに渡したら駄目なのだ。
雲南省は特に貧しい地域だ。西双版納の山の住人は不作の年には何もなくなるらしい。プーアール茶.comの藤本さんは不作の年は強盗や泥棒が増えると言う、山の民はまだその日暮しなのだ。
新興のプーアール茶メーカーの中にはうちの茶は安心と言うデモテープを作り、うちの茶は最初に洗ってから作業しますと言って、ガラス張りのオートメーション工場を宣伝しているのもある(笑)。雨なら摘まないという茶葉を最初に薬剤入りの水で洗うの?ショップは一流ブランドショップ並の内装で造られていて、中国本土では成長しているみたいだけど。
もちろんとても真面目に伝統製法で作っている茶厰もあるし、宣伝、流通の波に乗り遅れて良い茶なのに評価されてない茶もある。そんな茶を見つけると、ほっと一息本当に嬉しい。
形のままの茶を見る。飲んでみる。飲み終わった茶葉を見る。そして出来るだけ出自を調べる。今の所そうして茶を買うしか私には方法がない。オリジナルを作れと言う話もあるが、数多く売れないのもあるし、見本と同じ茶が出来るとは限らないのが今の中国の現実だと思う。あるきちさんが10年、20年後には変わると思うと言うけれど中国の変化はすごく早い。出来るなら3年、5年で、もう少し分かり易くなってくれれば嬉しいと思う。
本当にプーアール茶の現状、わからない事が多すぎる。現状と言うより黒茶やプーアール茶自体があやふやなのに、わかった様なことを言う間違った情報が氾濫しているのは本当に悲しい。とはいっても長い年月、人類の健康に寄与した歴史は変わらない、美味しくて体に良いお茶だから、1日1日少しずつでも勉強して、良いお茶を皆さんで楽しめるように努力して行こうと思ってます。