最低半支(42枚)単位で仕入れいる普洱の餅茶、毎年新しく仕入れていると、数年経て何枚かが残る。餅茶は3年5年・・・と、時を経ると値上がりしだし、10年もすると手が出せない値段になったりする。
「エコ茶会」の前に棚卸しをしながら改めてどうしようか思った。香港や広州で8万円の値段が付いているお茶を、お好きなお客様には5万円でも良いねって、5万って言ても5万円の普洱茶って日本では飲むにはやはり高価すぎるかな?。こちらで誰かに内緒でお声掛けするのは贔屓になるし、うちに2枚は残しておくと、売れるのは殆ど2,3枚なのだから。
そんなこんなでとりあえず置いてある茶が10種類を超えようとしている。仕入れは昔の値段なのだから昔値段で売れば良いとのお声もあるかもしれないけど、最初それをしていて他店からクレームが来た事もあり、お客様からその茶はその値段で売ってはいけないと、注意を受けた事もある。
相場より安くとは考えるけど、一度売ってしまったらその値段ではもうその茶を仕入れられないのも困る。普洱茶はその辺が難しい。たまたま90年代初頭から仕入れていて、現在一枚30万円を超える値段になってしまった茶はもう売らない事にした。次は幾らで仕入れられるか?まだその茶が市場で取引されているのかも分からないから。
日本では普洱茶は一枚単位より、25gなどと言う小袋の単位が一般的だけれど、まず晒青緑茶はそのままではうまく発酵しない。そして餅茶などをくずして袋に入れてしまうとやはり美味しくはならない。小分けにして時間が経つと駄目になる可能性の方が大きいから、私はグラム単位でご希望の場合はその場でけずってお分けしている。
「エコ茶会」で5グラム単位で売っているお店があり、また、美味しいからうちで旦那様にも飲ませたいと一回分のご希望があり、そうだと思いついた。ご希望に応じてグラム売りするなら、とりあえず1グラムいくらになるのか計算してみれば良いのだ。お茶会で使いたい場合など、私もいつもいくつか試して決めたりするのだから。ご注文があったら崩して良い状態でお送りしたり、お渡ししたら良いのだ。香港や広州では84枚でも少量注文になる。氷島の茶葉を70%買ったとか、100支(8,400枚)はあるよ、何て言うのが当たり前の世界で勉強したから、まったく思い付かなかった。
値上がりした茶、まず1グラムいくらなのか計算してみよう。
そう思ったのにはもう一つ理由がある。今年は「エコ茶会」でも初めて飲むお客様が多かった。試飲席でまず生茶と熟茶どちらがお好みですか?そう聞くと“初めてなのでどう違うのか解りません”とのお答えがあった。そんな方には試飲の上でなるべく買いやすい値段の茶をお勧めしたけれど、試して見ると良いお茶ほど淹れるのがやさしい。2015年の生茶で、例えば青山班禅茶(4,000円)と荒山茶(25,000円)を、慣れない生徒さんに淹れてもらう。最初班禅茶はうまく入らない。慣れた人ならどちらも美味しく淹れられるけど、初めての人が湯の切り方が甘かったりするとすごく苦く入ってしまう。陳年の茶なら誰が淹れてもとても美味しい。だったら初めての方に誰でも美味しく淹れられる茶を、何種類かセットにしてお勧めした方が、より普洱茶の美味しさを解って戴けるのではないかなと反省している。
普洱茶は最初が肝心。身にしみてるんだけどね。もちろんどの茶も吟味して仕入れているから自信はあるのだけれど。
勉強し始めた当時、普洱茶のいろはも分からない私に、香港の茶商たちは良いお茶を飲ませてくれたと思う。普洱茶のみならず、岩茶や鉄観音も、今でもその味を覚えている。中国茶好きの皆さんも、最初はお茶の美味しさに吃驚してお茶好きになったと言う人が多い。
そんなこんなで今年はまず、グラム単位の値段表作ります。
写真も入れて計算するのでもう少し時間戴きます。
お客さまサービスの一つ形、どうして今まで思いつかなかったのだろう。
皆さま、本年もよろしくお願いします。