中国茶の異物除去
昔、私も香港でそう聞いた事があった。その時「何か入っているのは手作りの証拠です」ときっぱりと言われて、なるほどそうかも知れないと納得してしまった。もう二十年も前の事で、香港や中国は衛生感覚が違っているのですね。
でも日本のお茶屋さんから言われて「目からウロコ」と言うかドキッとした。日本ではお茶に髪の毛なんて考えられない事で、他の食べ物や乾物に入っていたら私だって気持ち悪くなると思った。
お茶の卸屋さんにいる真樹ちゃんに聞いてみると中国茶の卸で一番大変なのが異物除去だとの事、100g単位で評茶盆に入れて、目を皿にして異物除去するのだとか。青茶もどのお茶もすると言う、その手間に掛る値段をうっかり見積もりに入れ損ねたら赤字になるそうだ。一番気を使うのが細工茶らしい、ガラスのコップを眺めながら花の開くのを待ってたら、髪の毛が浮いてきたなんて経験したら一回でお茶嫌いになってしまう。
うちでは散茶は扱わないし、餅茶や磚茶は一個単位で買うお客様が殆どです。その中で茶頭は50g,100gと量り売りになるので、一番危険なのは茶頭だと気がついた。プーアール茶の初心者は少ないし、髪の毛が入っているかも知れないよと言っても気にしない人が多かったからすごく反省しました。やはり可能性は0にはならないけれど、最低限の努力をしないとお友達にギフトして下さるお客様に迷惑かけてしまう。
というわけで棚卸しを兼ねて在庫の茶頭、初めて異物除去する事にした。8月に仕入れた茶の残り20kg弱。入ってましたいろいろ!今まではかわいいと思った米粒のようなかたつむりが居たけど、かわいくないのが結構あった、髪の毛ももちろん!!!大きすぎる塊、細かい茶葉を除いてとりあえず500gずつ袋に入れる。大きすぎる塊はうちで飲む事にして、細かくなった茶葉が3kg出た。
買った時の大きな段ボール詰めを航空便用に小分け、それをうちで5kgにとりあえずして、又今回500gに分けと四回入れ替えたせいもあり、思ったより多く細かい茶葉になってしまった。次回は最初から5kgの袋を持って行って入れ替えは一回にしようと思うけど、これはどうしよう?今までは茶袋に入れて飲んでねと安くおわけしていたけれど、初めてティーバックにしてみる事にした。
考えてみれば私だって最初に香港で飲み始めたのはティーバックのプーアール茶だった。初めて飲む人が異物にあたらず(笑)安心して飲んで戴けるし、会社で飲む人、お年寄りも簡単に飲める。
ティーバックで好きになって興味を持って下さればとても嬉しい。真樹ちゃんにその茶葉でその値段は破格に安いですよと言われたけど、パッケージにお金をかけない茶壺天堂方式で3月にはデビューさせようと思う。
80年代の500g沱茶が一年かかったけど見つかったとか、熟茶の新しい秘密が解明出来そうなんて面白がってばかりいたけど、プーアール茶好きの常識が他の中国茶好きの常識と違ってくるのは一番いけないと改めて思った。誰でも美味しく安いプーアール茶を日常的に飲んで欲しいというのが私の願いなのですから、本当に大いに反省です。
今年は初心に帰ろうと思った一月でした。
初心にかえる、大切な事を教えて戴けたメールでした。