もう十年も前のこと。書籍「中国黒茶のすべて」をお書きになった駱少君先生が日本に見えた時、横浜中華街・悟空の曽さんに呼んで戴いて、二人に駱先生から藏茶のいろいろをご講義戴いた。四川省の雅安茶厰から帰って来たばかりの先生のお話は、蔵茶を人が背負って二朗山を越えてチベットに運んで行く、過酷な労働を話されていたのですが、ほのぼのとしていて景色が見えるように面白かった。今なら望むべくもない贅沢な時間だったと思う。おみやげに藏茶を戴き、ご一緒に写真も撮って戴いた。それまで香港で普洱茶ばかり勉強していた私にとって、はじめて辺境の茶の面白さと多様さをその時知りました。
これは行って見なければ、そう思い立つと後先を考えずに行動するのが私、次の春、私は駱先生の写真を握りしめて成都から雅安に向かう。この旅の経緯についてはいろいろ書いたりしたので触れないが、竹に包まれた伝統的な一本10キログラムの藏茶が欲しいと思った。その時は果たせず広州茶葉市場で見つけて2本購入する。この10kgの茶を一人で16本背負い、チベットまで運んでいたのだ。駱先生のお話によると、まだチベットには人間が運ぶしか輸送手段のない村々が多数あるらしい。
さて購入した竹装10kgの蔵茶2本を、広州から日本に送らなければならない。規制のきびしくなった今なら不可能だけど、郵便局で押し問答の末、これは茶ではなくインテリアの飾り物にするのだ言い通して送る事ができた。茶葉市場にはまだ川口慧海の頃と同じようなヤクの毛皮に包まれた茶もあるけど、こっちは60キロあるからこれはあきらめた。
講習会でも現物を見て、さわる事で理解できる事は多い。私も中味はどんなふうに茶が詰められているのかは開けていないからわからない。日本でも最近は中国政府の一帯一路の政策もあり、黒茶に興味のある方が多くなったと思う。
今回の「エコ茶会」では、その一本を解体して皆さまにお分けしようと思います。最近は凝ったパッケージで名称も色々、高価になってしまった藏茶ですが、古くからの伝統的な作り方のパッケージの藏茶です。
解体ショー(笑)は7日の午後1時から。500グラム単位で黄色い紙に包んであるのでは?
500グラム=8000円、100グラム分売は2000円。
私もわくわくしています。ご興味のある方は是非来て下さい。よろしくお願いします。